米共和党、税制改革最終案を公表 法人税21%に引き下げ
(CNN) 米共和党は15日夕、税制改革法案の最終案を公表した。法人税率を現行の35%から21%に引き下げることなどが柱。来週採決が行われ、年末までにはトランプ大統領が署名して法案が成立する可能性がある。
共和党は税制改革を昨年の選挙の公約としていた。採決で鍵を握る上院議員数人が最終案公表前に同案を支持する方針を表明したこともあり、共和党議員は公約達成に向けて楽観的な姿勢を示している。
共和党のロブ・ポートマン上院議員は、「(可決に必要な)票数を得ると確信している」と述べた。
法案には、法人税率の現行35%から21%への引き下げ、法人代替ミニマム税の廃止、個人向け標準控除の2倍近い拡充、パススルー事業体に対する課税方法の再編などが盛り込まれている。批判派からは、中産階級ではなく企業の税負担を軽減する方向に大きく偏っていると指摘する声も上がっている。
個人所得税の税率区分については引き続き7段階とし、最高税率を39.6%から37%にするなど、大半の区分の税率を引き下げている。
子どもを持つ世帯への税額控除額は2000ドル(約22万円)となり、最大で1400ドルの還付を受けることが可能。
共和党は上下両院での数カ月に及ぶ協議や、上院での僅差の票読み、そしてマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)の支持を狙った子育て世帯への税額控除の調整を経て、今回の最終案にこぎ着けた。
共和党執行部は最終案の内容を2ページにまとめた文書を公表したものの、財源の確保に関する詳細は記されていなかった。上院のルールでは、法案による負担額は今後10年間で1兆5000億ドル以内に収める必要がある。