米国への海外投資、17年は32%減の2600億ドル
ニューヨーク(CNNMoney) 米政府の経済分析局は14日までに、企業買収、新規事業の着手や事業拡大などに関する海外からの対米直接投資額は昨年、前年比で32%減の2596億ドルを記録したと報告した。最高記録だった15年の4395億ドルからは激減した。
昨年の投資額ではカナダの662億ドルが最大で、英国や日本が次いだ。
外国による直接投資の動向には様々な要因が絡むが、過去2年においてはドル高が米国資産の魅力を高め、投資額を増大させる一因となっていた。また、海外の不安定な金融市場が比較的安定している米国市場の価値を高めていたとの要因もある。ただ、米国が吸い上げてきた海外からの直接投資の比率は発展途上国が競争力を高めるとともにここ数年縮小していた。
一方でトランプ米政権による政策が海外からの投資活動に悪影響を及ぼしているとの見方もある。
多国籍企業が参加する「国際投資機構」の責任者は米国への投資については昨年、不確かさがあったと指摘。「多国籍企業は総じて外国政府が国内で活動する外国企業にどう対応するかを案じている」とし、「国境を越えた企業買収活動が米国だけでなく世界規模の経済ナショナリズムから打撃を受けたのは驚くことではない」と説明した。
トランプ政権は海外からの投資の監視を強めるため米国の対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を拡大させる法案を支持している。