中国の対米投資、昨年は83%減 不動産などの資産売却も進む
ニューヨーク(CNN Business) 中国から米国に対して行われた直接投資が2018年は前年比83%減の48億ドル(約5200億円)と大きく落ち込んだことが分かった。米法律事務所ベーカー&マッケンジーが14日、報告書を発表した。
中国企業からの投資が大きく減少しているほか、不動産や娯楽ビジネスなどの資産の売却も進んでいるという。
中国からの対米投資がなくなった背景には、中国政府が導入した海外投資に対する規制が影響している。米政府は国外からの投資について規制を強化する方向で動いているほか、米中間の貿易摩擦も影響しているとみられる。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の専門家は、「中国は国外への投資について自らかせをはめた。トランプ政権の誕生で米国はドアに『非売品』のサインを掲げた」と述べた。
ベーカー&マッケンジーは報告書の中で、不動産や輸送、インフラといった分野への中国からの投資は「大部分が消え去った」と指摘した。
報告書によれば、欧州全体への投資についても70%減少したという。ただ、フランスやドイツ、スペインなどへの投資額は増加した。また、米国の隣国であるカナダに対する投資も27億ドルと80%の増加をみせた。
中国による対米投資は16年の456億ドルが過去最高だった。