米カリフォルニア大、中国でのメッセージアプリ使用自粛を勧告
香港(CNN) 米カリフォルニア大学(UC)が学生と教員に対し、中国訪問時に「微信(ウィーチャット)」や「ワッツアップ」などのメッセージアプリを使用しないようメールで勧告したことが12日までにわかった。通信記録が渡航者に不利な証拠として中国法執行当局に使われる恐れがあるとしている。
この件は香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが最初に報じ、カリフォルニア大学デービス校の広報担当者が確認した。バークレー校の生徒もメールを受け取った。
欧米人の中国渡航をめぐっては、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の孟晩舟(モンワンチョウ)最高財務責任者(CFO)が米当局の要請で先月逮捕されて以降、相次いで懸念が提起されている。
中国では孟氏の逮捕後、複数のカナダ人が拘束された。現在2人が「中国の国家安全保障を危険にさらした」疑いで取り調べを受けている。
UCの指針は、ロシアで米国人がスパイ容疑で逮捕された件にも言及していると見られる。
CNNが確認したUCのメールでは、「中国ではワッツアップやウィーチャットなどのメッセージアプリの使用は合法だが、ロシアで米国人が逮捕された直近の例では、スパイ容疑での訴追にワッツアップの使用が引用されている」と指摘している。
そのうえで「我々は中国も同様にこうした条件を適用する可能性を懸念している。欧米人渡航者に罰金を科したり、帰国を禁じる口実に使われたりする可能性がある」と指摘。中国でのメッセージアプリ使用を当面控えるよう勧告した。
デービス校の広報担当はCNNの取材に、「UCデービス校のグローバル事務局では、教職員や学生の渡航先に関する国務省や米疾病対策センター(CDC)の勧告へのリンクを日常的に掲載している」と述べた。