独VW、ハンブルクで自動運転車のテスト開始 初の「レベル4」
ロンドン(CNN Business) 独フォルクスワーゲン(VW)はこのほど、同国北部ハンブルクで高度な自動運転のテストを開始した。
完全自動運転の「レベル5」に次ぐ「レベル4」のテストを同社が実施するのは初めて。ドライバーの操作なしで市街地の複雑な交通パターンに対応する電気自動車「e―Golf」5台が、ハンブルク市内に整備された3キロのテスト区間を走行している。
この区間には自動運転向けに、信号などの交通制御システムが新たに導入されている。2020年までには、同市内でさらに6キロの区間に、車両と制御システムの交信が可能なインフラを導入することを目指す。
VWによると、テスト中の各車両はノートパソコン15台分の処理能力を備え、1分間当たり5ギガバイトのデータ通信が可能。各車に高精度センサー「レーザースキャナー」11台とレーダー7台、カメラ14台が搭載されている。
VWの研究部門責任者によると、テストでは技術上の可能性に加え、市街地インフラの条件が焦点となる。車が自動化するだけでなく、街のほうがデジタルな環境を提供する必要があると、同責任者は強調する。
Volkswagen
独政府はベルリンやドレスデン、デュッセルドルフ、ミュンヘンなどでもテスト用の環境整備に出資している。
自動車業界では近年、各社が自動運転への投資に力を入れている。トップを走るのは米グーグルから独立したウェイモだ。
米配車大手ウーバーや伝統的な自動車メーカーの米フォードとゼネラル・モーターズ(GM)、日産自動車なども自動運転の技術をテストしている。高級車で知られる独ダイムラーとBMWは自動運転分野で提携し、中国でレベル4のテストを実施している。