EVトラック用の「eハイウエー」、ドイツで運用開始
ロンドン(CNN Business) 高速道路に高架線を張り、電気自動車(EV)トラックに電力を供給する「eハイウエー」システムの運用が、ドイツのフランクフルト近郊で始まった。
ドイツ政府の発表によると、フランクフルト空港と近くの工業団地を結ぶ10キロの区間が7日に開通した。
独シーメンスがシステムを構築し、ドイツ政府が7000万ユーロ(約86億円)をかけて専用のトラックを開発した。
トラックは上部の特殊な装置を通して電力を受け取り、最大時速90キロで走行する。一般道ではハイブリッド車として走り、高架線が使える道路をセンサーで感知する。
シーメンスによると、eハイウエーは鉄道のエネルギー効率とトラックの利便性を兼ね備えた輸送手段と位置付けられ、温室効果ガスの排出量も大きく減らすことができる。燃料費の節減効果は10万キロ当たり2万ユーロに及ぶとされる。
既存の道路網に組み込む形で設置することができ、ドイツでは近くさらに2カ所で運用が始まる予定だ。
トラック輸送は石油需要の伸びが最も速い分野とされ、2050年までに世界で増加する二酸化炭素(CO2)排出量の15%を占めると予想されている。eハイウエーのようなプロジェクトは鉄道の活用やEVの普及と並び、排出量削減に大きく貢献することが期待される。
ドイツのほかにスウェーデンや米ロサンゼルス近郊でも、同様の技術を使った小規模な試験が実施されている。