ベネズエラ中銀、経済統計を公表 3年間で初 破綻鮮明に
ベネズエラ・カラカス(CNN Business) マドゥロ大統領率いる政権と野党との権力闘争や経済失政による深刻な物資不足などが長引く南米ベネズエラの中央銀行は30日までに、過去3年間では初の経済関連データを公表した。
これによると、昨年第3四半期(7~9月)における国内総生産(GDP)は前年同期比でマイナス22.5%を記録。GDPは2014年年初から下落基調にあり、13年の第3四半期と昨年の同四半期の間にはマイナス52%と大幅にしぼんだ。国内経済の規模が5年で半分に縮小したことを意味する。
昨年のインフレ率は13万60%の上昇となった。同国の近代史上では最高水準の物価上昇率だった。貨幣や賃金の価値が下落する一方で、国民の生活苦が深まるばかりとなっている。
インフレ率については野党陣営が多数派の国会は約170万%の増加と報告。国際通貨基金(IMF)は昨年、92万9797%増と推定していた。
中銀の統計によると、同国の圧倒的な外貨獲得源である原油輸出の収益は昨年300億米ドルを計上。13年は約850億ドル、15年は350億ドルだった。
ベネズエラの石油埋蔵量は世界でも最大規模とされるが、経済危機に伴う長年の投資不足などのしわ寄せで生産活動は停滞の一途をたどっている。マドゥロ政権に反発する米国は今年、ベネズエラ産原油の輸入を阻む制裁を科してもいた。
中銀が今回発表した経済関連データは、IMFや世界銀行が以前に示していたベネズエラ経済の破綻(はたん)を裏付ける結果ともなった。