外国人の不動産購入、米国で36%減
ニューヨーク(CNN Business) 全米不動産協会は17日、外国人による米国内の不動産購入が減少しており、背景に世界経済の停滞感などがあるとの報告書を公表した。
報告書によると、今年3月までの1年間における米国外の顧客による住宅購入は36%減り、投じた金額は780億米ドル相当だった。2017年以降を見た場合、購入総額は半額の水準になった。
世界経済の成長率の足踏みは激化する通商摩擦が一因。今年の経済成長率は昨年の3.6%から3.3%に後退する見通し。
米国内の不動産物件の最大の顧客は中国人だった。しかし、今年3月までの1年間では、前年比で56%減の134億ドルを記録。中国に次いで上位5カ国に入ったのはカナダ、インド、英国にメキシコだが、いずれも同様に減少。ただ、中国の落ち込み幅が最大だった。
中国経済もここに来て減速が目立ち、今年の第2四半期(4〜6月)では年率換算で6.2%増と、過去27年間では最低の成長率となった。
外国人による低調な米国内の不動産調達にはドル高の要因も関係している。
不動産の外国人購入者のうち60%は米国への最近の移住者もしくはビザ保持者だった。購入した物件の場所ではフロリダ州が20%を占めた。上位5位の州にはこの他、カリフォルニア、テキサス、アリゾナとニュージャージーが入った。