中国経済、対米通商摩擦が重荷 下押し圧力も強まる
香港(CNN Business) 中国国家統計局は15日までに、同国の主要産業の動向を示す重要指標の鉱工業生産が先月、前年同月比で4.8%増と過去17年で最低水準の伸びになったと報告した。
国内経済の減速と打開の糸口が依然見えない米中貿易摩擦の影響を如実に示す数値となった。国内景気の鈍化の程度は驚くほど大きいとの見方も出ている。
7月の鉱工業生産はロイター通信がアナリストがまとめた予想値として伝えていた5.8%増には大きく届かない水準となった。今年6月は6.3%増だった。
また、7月を対象にした中国経済の他の重要指標も14日に公表され、いずれも市場予想を下回る水準を示した。小売売上高は前年同月比で7.6%増を記録。8.6%増が予測されていた。
労働市場も悪化しており、都市部での失業率は5.3%に上昇。6月は5.1%だった。
経済動向調査企業「キャピタル・エコノミクス」の中国担当上席エコノミストは、中国経済活動の広範な減速や冷え込む消費は今年上半期の一定規模に持ちこたえていた景況が終わり、今や下押し圧力に直面していることを示唆すると指摘。
米国による追加関税や世界規模での需要減退を受け、中国経済のさらなる後退が今後予想されるとも分析した。