米NY連銀、連日の大量資金供給 金融市場の緊張緩和図る
ニューヨーク(CNN Business) 米ニューヨーク連銀は18日、2日連続で金融システムに大量の資金を供給した。米金融市場では翌日物金利が上昇しており、資金供給により緊張を緩和する狙いがある。
連銀は17日に530億ドル(約5兆7300億円)、この日は750億ドルを供給した。翌日物の貸出金利が急上昇する中、連銀は市場の円滑な機能を保つべく金利抑制に動いている。
連銀がこうしたオペ(公開市場操作)に踏み切るのは2008年以来。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は18日の記者会見で、一連の措置について「資金調達圧力を緩和するうえで有効」との見方を示した。
ただ、連銀が計1280億ドル供給の必要性に迫られたことは、世界金融システムの要となる市場に亀裂が現れている現状を浮き彫りにした。連銀が短期金利の制御を失いつつあるとの懸念も浮上している。
資産運用企業サードセブンアドバイザーズの市場ストラテジスト、マイケル・ブロック氏はこうした状況について「配管が壊れたことを示している」と説明する。
ニューヨーク連銀は対応策として、国債などの購入により圧力緩和を図る「翌日物レポオペ」を実施。18日には801億ドル分の買い注文を出し、750億ドル分が成立した。
翌日物の貸出金利は17日、ニューヨーク連銀の介入前には10%に上昇していた。その後3%を割ったが、現在も連銀の誘導目標レンジを上回る水準にある。