ゴーン被告が逃亡先で会見、日本の司法制度を批判
ロンドン(CNN Business) 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告は8日、逃亡先のレバノンの首都ベイルートで記者会見した。日本の司法制度を批判するとともに、逮捕はルノー・日産・三菱の企業連合(アライアンス)のトップから自身を失脚させるための陰謀だと非難した。
ゴーン被告は会見で「私は正義から逃げたのではない。不正義から逃れた」と主張した。ゴーン被告が公の場に姿を現したのは日本出国後初めて。
会見を開いた理由については、日本からの逃亡方法について語るためではなく、嫌疑を晴らすためだと説明。「そもそも逮捕されるべきではなかった」としている。
ゴーン被告は1年以上前に東京で初めて逮捕され、報酬を過少記載した罪や、自身の管理下にある販売代理店に日産の資金を不正に支出した罪などで起訴された。
ゴーン被告は起訴内容を再三否認しており、記者会見では「人間の最も基本的な原則を侵害するものだ」として、日本の刑事司法制度を批判。独房に長期間入れられ、弁護士の同席がないまま長時間の聴取を受け、迅速な裁判が行われることもないと指摘した。日本の検察については、真実の確定ではなく、有罪につながる証言を引き出すことを目的にしていると主張した。
記者会見を受け、東京地検はコメントを発表。「被告人ゴーンが逮捕・勾留されたのは、被告人自身の責任に帰着するものである」と述べた。捜査により「有罪判決が得られる高度の蓋然(がいぜん)性が認められるだけの証拠を収集」したとしている。
森雅子法相は会見で、ゴーン被告が「我が国の法制度や運用について誤った事実を喧伝(けんでん)するのは看過できない」と述べた。