武漢のウイルス拡大、中国経済にとって最悪のタイミング
SARSと同様、武漢のコロナウイルスも恐怖をまん延させ、人々が活動を控えたり外出を避けたりする要因となりかねない。こうした行動が広まれば、中国経済の約52%を占めるサービス業界にとって大きな打撃となる。
投資家は既に、中国の観光業界にウイルスがどのような影響を及ぼすか、懸念を募らせている。上海や香港の株式市場では23日、中国の三大航空会社である中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空の終値が2.5%以上下落した。
SARSはより幅広い影響ももたらした。オーストラリアの投資銀行マッコーリー・グループによると、中国経済の2003年4~6月期の成長率は9.1%と、前期の11.1%から急減速した。
独コメルツ銀行のアナリストによると、今回の場合、直接の影響を被る業界の比重が高まっているため、中国の国内総生産(GDP)への影響はさらに深刻になる可能性があるという。例えば03年の時点では、観光業はGDPの2%にとどまっていたが、現在は約5%に拡大している。