日本の10~12月期GDP、年率6.3%減 景気後退入りの恐れ
香港(CNN Business) 日本政府が発表した昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は前期比1.6%減のマイナス成長となった。今後の見通しをめぐり、景気後退(リセッション)入りが避けられないとの懸念も指摘されている。
GDPの下げ幅は2014年以来の大きさ。年率換算では6.3%減となった。
アナリストらも消費税引き上げや大型台風の被害によるマイナス成長を予測していたが、実際はロイター通信がまとめた0.9%減の見通しをさらに下回る数字となった。
今年1~3月期は中国発の新型コロナウイルスの感染拡大による影響が表れるとみられ、景気回復の可能性は遠のいている。
オランダ金融大手INGグループのチーフエコノミスト、ロバート・カーネル氏は、日本の景気後退入りがほぼ避けられないとの見方を示す。
2000年代前半に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した時、中国が世界のGDPに占める割合は約4%だったが、今では16%に拡大した。
特に日本の観光業界への打撃は大きく、ホテルやレストラン、小売店の収益が落ち込む見通し。製造業界も中国工場の閉鎖や部品不足による生産調整を余儀なくされている。
INGは日本のGDP成長率が通年でマイナス1.1%になるとの予想を示した。
アジアではこのほか、タイも10~12月期の経済成長が鈍化し、新型コロナウイルスによる観光、製造業への影響が懸念されている。シンガポール政府もこのほど、今年の景気見通しを下方修正した。