岡山の西大寺で「はだか祭り」 数千人が宝木を奪い合う
東京(CNN) 岡山県の西大寺で15日、数千人の男たちが「宝木(しんぎ)」を奪い合う毎年恒例の「はだか祭り」が行われた。
祭りの名前は、はだか祭りだが、約1万人の男性の参加者はふんどしと足袋を身に着けている。
祭りは、豊作や安産などを祈願するもの。現地時間午後3時20分から、若者向けのイベントが始まった。夕方になると、参加者の男性が寺の周囲を走るなどして準備が進められ、清めの水浴びをしてから、本堂に入った。
清めの水浴びをする参加者ら/The Asahi Shimbun/Getty Images
午後10時に明かりが消されると、住職が高さ4メートルの窓から長さ20センチの宝木を群衆に向かって投下した。
ここから、宝木の奪い合いが始まった。本堂にすし詰めになった約1万人の男たちが宝木を奪い合う。伝説によれば、宝木を獲得した人物は1年間の幸運が保証されるという。宝木の奪い合いは約30分間続いた。
日本全国から参加者が訪れたほか、海外からの参加者もいた。
はだか祭りの起源は約500年前にさかのぼる。当時は紙でできたお札を奪い合っていたが、お札を求める人たちが増えたほか、紙だと破けてしまうため、紙から木に替わったという。長い伝統を持つこの祭りは2016年に国の重要無形民俗文化財に指定された。