737MAX機に新たな問題、納入前の機体の燃料タンク内に異物
ニューヨーク(CNN Business) 2度の墜落事故で計346人の犠牲者を出し、運航停止が続く米ボーイング社製の小型旅客機「737MAX」の燃料タンク内に異物が放置されていたことが20日までにわかった。
同社が顧客にまだ納入せず保管している同型機の複数の機材で見つかったもので、今年半ばまでの運航再開を期待する中で新たな不祥事の発覚となっている。
完成した機材の中での異物発見はショートサーキットや火災などが発生しかねず、安全飛行に大きな危険性をもたらす。
今回の不手際を受け同社は従業員の作業面での指示や確認事項を修正すると共に、点検や審査などで新たな手続きを追加する方針。
同社で737機事業を担当する副社長は社員向けの通知で、生産工程で異物を排除する必要性を強調。ただ、燃料タンク内で異物が見つかった機数には触れなかった。
2度の墜落事故後、737MAXは昨年3月以降、運航停止を強いられている。墜落は安全運航関連のソフトウエアの不具合が原因と考えられ、修正作業は当初の想定より長引いている。
ボーイングはこの間、減産しながらも同型機の製造を続けていたが今月になって製造停止の暫定的な判断を下していた。保管している同型機は約400機で、運航再開の承認を待って顧客に引き渡す予定となっている。
ボーイングが納入した機材では過去にも異物騒ぎが起きていた。米空軍は昨年、KC46型給油機の機内で異物が見つかったとして同機の引き取りを2度、一時停止していた。