独フォルクスワーゲン、人種差別的な広告動画で謝罪
ロンドン(CNN Business) ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は22日までに、新型車の宣伝目的でSNSに投稿した動画の内容が人種差別的だったとして謝罪した。
問題の動画は新型の「ゴルフ8」の広告として公式インスタグラムに投稿されたもの。レストランの前に停車した黄色いゴルフを映した画面に巨大な白人の手が現れ、近くにいる普通サイズの黒人男性を指で押したりつまんだりして車から遠ざけようとする。
男性は最後には指ではじかれ、レストランの中へと消えていく。レストランの看板にはフランス語で「小さな植民地人」を意味する「Petit Colon」の文字が見える。
動画はすでにインスタグラムから削除されたが、それより前に別のソーシャルメディア上に再度投稿されるなどしていた。
VWの販売マーケティング担当幹部並びに多様性への取り組みを統括する幹部はソーシャルメディアで、「自社のインスタグラムのチャンネルに人種差別的な広告動画を掲載した」ことを認め、これを謝罪した。
広く一般への謝罪に加え、自らの持つ歴史に由来する痛みを感じた人々へ特に謝罪の気持ちを伝えたいとしている。
VWも社として個別に声明を出し、いかなる形であれ人種的偏見や外国人嫌悪に基づく差別は容認しない姿勢を強調した。
VWはナチス政権下の1937年に創業。最初の数年は強制収容所の収容者を車両の製造に従事させることもあった。現在は世界最大の自動車メーカーとなり、2019年の販売台数は約1100万台だった。