アディダス、米国での新規採用3割以上を黒人と中南米系に
ニューヨーク(CNN Business) 独スポーツ用品大手アディダスは9日、新たな採用方針を発表し、米国で新規に雇う従業員のうち最低3割を黒人もしくは中南米系とする意向を明らかにした。
米国では黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官に押さえつけられて死亡したことを受け、人種間の公正を求める声が高まっている。今回のアディダスの方針は、こうした声にこたえる取り組みの一環。
先週、アディダスを含む企業数十社が、黒人の生命の尊重を訴える運動に対して連帯の意思を表明した。一方で企業に対しても、それぞれの社内に存在する人種差別に根差した不平等な状況を改善するよう圧力がかかっている。
アディダスでも最近、オレゴン州ポートランドにある北米事業の拠点で、従業員数百人が職場を放棄し、黒人の従業員への支援向上を呼びかける出来事があった。地元紙が報じた。
アディダスのローステッド最高経営責任者(CEO)は9日の声明で、「この2週間の出来事を通じ、社の全員が自分たちにできることを考えるようになった。文化的、組織的な影響力と向き合い、根強い人種差別主義に対処しなくてはならない」と述べた。
新たな従業員として一定数以上の有色人種を採用するという方針については、今後北米全体でも新たな目標値を設定する計画だという。現在米国や北米で働く黒人の従業員の割合に関して、アディダスは明言を避けた。
同社はこのほか、黒人を支援する3つの活動を対象に今後4年間で2000万ドル(約22億円)を寄付する予定だとしている。