豪州、潮力発電の可能性探る エネルギーミックスの切り札になるか
低コスト化で潮力発電の利用促進
大規模な潮力エネルギーシステムの導入には莫大な費用がかかる。2011年に完成した世界最大の潮力発電所、韓国の始華湖(シファホ)潮力発電所の建設費用は約3億ドル(約323億円)だった。
マコエナジーのタービンも、発電量や設置場所にもよるが、2万~7万ドル(約215万~755万円)の設置費用がかかる。
これまで、マコエナジーの主な顧客は大企業や政府だったが、同社は規模の大小を問わず、多くのエネルギー企業がタービンを利用できるようにしたいと考えている。
導入コストが下がれば、グリーン(環境にやさしい)エネルギーの導入を検討している石炭火力発電所やオフグリッドの(送電網を利用しない)沿岸地域など、誰でもタービンを利用可能になる。
潮力エネルギーの可能性は海と同じくらい広大に見えるかもしれないが、克服すべき課題も多い。欧州連合(EU)は2017年に発表した報告書の中で、潮力発電所の導入が海洋生物に与える影響に関する研究が不十分と指摘している。また別の報告書では、高い建設費用が潮力発電の世界的展開の障害となるとの懸念を示している。
現在オーストラリア政府は、さまざまな海洋エネルギープロジェクトに投資を行っている。この取り組みを通じ、政策立案者たちは潮力や波力が国のエネルギーミックス(多様なエネルギー源を組み合わせて電気の安定供給を図る)にいかに寄与するかについて理解を深められるとしている。