キャセイ航空、月間で270億円の損失 乗客99%減
(CNN) 香港を拠点にするキャセイパシフィック航空は20日までに、世界的な旅行需要の落ち込みで1カ月当たり15億~20億香港ドル(約200億〜約270億円)の損失を被っていることを明らかにした。
同航空のロナルド・ラム最高顧客責任者が声明で述べた。コスト削減策を続けている上での資金消失ともした。
キャセイパシフィックと子会社のキャセイドラゴン航空の輸送乗客数は先月、わずか約3万6000人で、前年同期比で98.8%の激減だった。
同氏は、現段階では嵐をしのいでいるもの、新たな旅行市場に対応しなければ生き残れない状況は依然あるとの危機感を表明。会社や航空拠点としての香港の地位、出来る限り多くの社員らの生活を守るためのリストラ策は不可避との認識を示した。
香港政府は今年6月、キャセイパシフィック航空に金融支援を提供。ラム氏はこの支援で同社が業務の変革を進める時間を得て、短期的な運航継続が可能になったと説明。ただ、この金融援助にも返済が必要と指摘した。
また、国際航空運送協会(IATA)が最近、航空業界の世界的な業績回復の時期を1年繰り下げて2024年にした予想にも言及。新型コロナの大流行が始まる以前の水準に戻る足取りがいかに遅いことを示したとも述べた。