米ナスダック急騰、経済にとって悪い兆候の可能性も
ニューヨーク(CNN Business) 迷ったらアマゾン株を買え――。それが米金融街のメッセージだった。米株式市場では4日、大統領選の勝者が確定しない状況にもかかわらず、ハイテク株が急騰した。
アマゾン、アルファベット、フェイスブック、マイクロソフトを構成銘柄に含むナスダックはこの日、3.9%も上昇。一日の上昇率としては約7カ月ぶりの高騰を記録した。
米建機大手キャタピラーのような景気敏感銘柄を扱うダウ工業株平均と比べると、ナスダックの上昇率は倍近い。
これはある意味、新型コロナウイルス禍からの回復が初期段階にあった5月から7月にハイテク株が値上がりした現象の再現といえる。今回のハイテク買いからは、上下両院がねじれ議会となって大型の景気刺激策が実現せず、景気回復がぜい弱な状態にとどまっても、こうした企業なら好調を保つとみる投資家心理がうかがえる。
トゥルーイスト/サントラスト・アドバイザリーのチーフ市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏は「人々は景気停滞が深まった場合の戦略に回帰している」と述べ、守りに入った投資家はハイテク株を買うとの見方を示した。
アマゾン、アルファベット、フェイスブックの株価は日中の取引で5%あまり上昇した。いずれも新型コロナ下で勝ち組となった企業だ。対照的に、フォードやウェルズ・ファーゴ、ボーイングなど、業績回復に強い経済を必要とする企業の株価は横ばいかマイナスだった。
コーネル大のスコット・ヨンカー准教授は4日の報告書で、「動物と同じように、投資家は危険や不透明な状況に直面すると、群れの中で最も強い個体に従ってまとまる」「投資家にとって、これは最近の『勝ち組』に資金を投じることを意味する」としている。