イーライリリーの抗体薬、新型コロナ治療薬として緊急使用許可 米FDA

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米製薬大手イーライリリーは新型コロナウイルスの治療につながる可能性のある抗体の研究を続けている/Eli Lilly

米製薬大手イーライリリーは新型コロナウイルスの治療につながる可能性のある抗体の研究を続けている/Eli Lilly

(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は9日、米製薬大手イーライリリーのモノクローナル抗体薬「バムラニビマブ」について、新型コロナウイルス治療薬としての緊急使用許可を出したと発表した。軽度から中程度の症状がある大人と子どもへの使用を認める。

バムラニビマブは病院などの医療機関で投与する必要がある。モノクローナル抗体薬が新型コロナウイルスの治療薬として承認されたのは初めて。

FDAによると、モノクローナル抗体薬はウイルスのように有害な抗原を撃退する免疫の力を模して研究室で開発されたタンパク質。バムラニビマブは新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質に直接作用して同ウイルスの付着を阻止し、人の細胞への侵入を防ぐ。

FDAの緊急使用許可は、10月に医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された論文に基づく。この研究では、新型コロナウイルス感染症で軽度から中程度の症状がある少数の患者について、入院のリスクを減らしたり、ある程度の症状を和らげたりする効果があるようだとしていた。

患者452人を対象とするフェーズ2の臨床試験では、この治療を受けた患者のうち症状が悪化して入院したり集中治療室での治療が必要になったりした患者は1.6%にとどまったのに対し、プラセボ(偽薬)を投与された患者は6.3%が入院していた。

イーライリリーは米政府と3億7500万ドル(約390億円)の契約を結んでバムラニビマブを供給する計画を発表していた。緊急治療許可を申請したのは10月。今後数日中に10万回分の出荷準備を整え、今年末までには100万回分を製造する。同薬は患者の自己負担なしで提供する。

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