NY証取、中国通信3社の上場廃止を再び発表 方針二転三転
ロンドン(CNN Business) 米ニューヨーク証券取引所(NYSE)は6日、トランプ政権の大統領令に従い、中国通信企業3社を上場廃止にすると発表した。NYSEは先週いったん上場廃止を発表した後、4日に廃止方針を撤回しており、今週2度目の方針転換となった。
発表によると、NYSEは中国移動(チャイナモバイル)と中国電信(チャイナテレコム)、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)の株式の取引を11日に終了する。トランプ大統領は昨年後半、中国軍によって所有または支配されていると米政府がみなす企業への投資を禁じていた。
NYSEがこの問題での立場を二転三転させたことで、投資家の間では混乱が生まれ、3社の株価は乱高下した。
NYSEはチャイナモバイルとチャイナテレコム、チャイナユニコムの株式の取引を11日に終了する/Mark Schiefelbein/AP
NYSEは先週、3社の上場を廃止すると発表。しかし4日、「関係当局とのさらなる協議」を踏まえ廃止方針を撤回していた。そして今回、米財務省の「新たな具体的な指針」が5日に通知されたことを理由に、当初の方針に戻った。
3社は香港でも上場している。香港市場では4日、投資家が保有株を売り、NYSEが上場廃止方針を撤回した段階で買い戻すという動きがみられた。
ニューヨークでは今回の発表を受け、3社の株価が下落。下げ幅はチャイナテレコム株が3.7%、チャイナモバイル株は2.7%、チャイナユニコム株は2.3%となった。
バイデン次期大統領の就任が間近に迫るなか、今回の措置は二大経済大国である米国と中国の間の緊張を高めそうだ。