世界のインフレ率、2008年以降で最高の水準に OECD
ロンドン(CNN Business) 先進国世界の広い範囲で急速に物価が上昇している。経済協力開発機構(OECD)は2日、加盟国の4月のインフレ率が2008年以降で最高の水準に達したと明らかにした。
OECDによると、4月はエネルギー価格の上昇が前年同月比のインフレ率を押し上げ、3月の2.4%から3.3%に上昇した。これは金融危機が世界経済に衝撃を与えた2008年10月以降で最も速いペースとなる。
変動の激しい食品・エネルギー価格を除いた場合でも、物価は世界各地で軒並み上昇しており、4月のインフレ率は3月の1.8%から2.4%に跳ね上がった。
新型コロナウイルス禍からの景気回復が進むなかで突然インフレが到来したことは、世界各地の政策立案者に大きな課題を突き付けている。物価上昇は固定収入の人にとって悪いニュースとなるほか、中央銀行が利上げや景気刺激策の縮小によるインフレ退治に乗り出す誘惑に駆られる可能性もある。
エコノミストは物価上昇圧力があるとの認識で一致している。ただ、インフレ高進がパンデミック後の生活への適応が進むにつれて収まる一時的な現象なのか、それとも、労働者や企業に大きな影響を及ぼす持続的なトレンドの始まりなのかについてはコンセンサスがない。
物価上昇のペースはOECDの加盟38カ国の間でばらつきがある。米国では4月、前年同月比の物価上昇率が3月の2.6%から4.2%に上昇。一方、欧州では4月はより控え目な上昇率にとどまり、英国で1.6%、ドイツで2%、フランスで1.2%、イタリアで1.1%だった。