3回目のワクチン接種が必要と考える理由、ファイザーが米当局に説明
(CNN) 米製薬大手ファイザーは12日に開かれた新型コロナウイルスワクチンに関するオンライン会議で、「ブースター」と呼ばれる3回目の接種が必要と考える理由について、米食品医薬品局(FDA)や米疾病対策センター(CDC)に説明した。
ブースター接種がいつ必要かをめぐっては、先週の時点で双方の見解が一致しなかったため、儀礼的な会議が開かれたとみられる。接種を完了していれば現時点でブースター接種は不要とするFDAやCDCは、異例の反論を展開した。
米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は会議後にCNNの取材に応じ、「実際のところは何も変わっていない」と強調した。
12日夜のオンライン会議は約1時間続き、ファイザーがデータを提示した。米公衆衛生機関からは、ファウチ所長やCDCのロシェル・ワレンスキー所長、米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長、米公衆衛生局のビベック・マーシー長官ら幹部が出席した。
「CDCやFDAは、現時点で判明しているデータに基づくと、ブースターは不要と述べた」とファウチ所長は説明。「それは今後も変わらないという意味ではない。実際問題として、いずれは全員または高齢者や基礎疾患のある特定のグループを対象としたブースター接種が必要になる可能性はある」とした。
ファイザーは今回の会議を「生産的」だったと形容、同社の研究内容や、現在行っている臨床試験のブースターに関する初期段階のデータについて説明したと述べ、さらに確固としたデータを医学誌に発表する予定だと話している。
保健福祉省の広報は「現時点でワクチンを完全接種した米国民にブースター接種は必要ない」と述べ、「必要性が科学的に実証されればブースターを提供する用意がある」とした。