イラクのコロナ対応病院で火災、41人死亡
イラク・バグダッド(CNN) イラク南東部ナシリヤにある新型コロナウイルス患者向けの病院で12日、火災が発生し、少なくとも41人が死亡した。地元保健当局の報道官がCNNに明らかにした。このほか少なくとも5人が重体となった。
火災が発生したのは12日夜。コロナ患者の治療を行う集中治療室(ICU)で酸素タンクが爆発したのが原因とみられている。
同報道官はCNNに対し、民間防衛チームが鎮火に成功したと明らかにした。消火活動には医療従事者や住民有志も協力したという。
同報道官や保健当局者は、火災発生時に何人が建物内にいたのか明言できなかったものの、医療従事者など生存者がいる可能性に備えて救出作業を継続していると述べた。
イラク首相府の13日午前の発表によると、カディミ首相は火災の原因や影響を見極めるため、閣僚や治安部隊幹部と緊急会合を開いたという。
イラク議会のハルブシ議長はツイッターで、今回の火災は人命を守ることができない現状を示していると指摘し、「今こそこの壊滅的な失敗に終止符を打つ時だ」と述べた。
この病院はコロナ患者を治療する目的で流行初期に設置されたもので、敷地内に隔離施設がある。
イラクでは4月にもバグダッドのコロナ対応病院が大規模な火災に見舞われ、少なくとも82人が死亡していた。出火原因はコロナ患者向けのICUで酸素タンクが爆発したことだった。
ナシリヤは首都バグダッドの南東約360キロの位置にある。