米ボーイング、黒字決算に転換 昨年のコロナ禍以降で初
ニューヨーク(CNN Business) 米航空機製造大手ボーイングは28日、純損益が5億6700万ドル(約624億円)の黒字を計上する今年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。
四半期の黒字決算は、新型コロナウイルス禍が昨年始まって以降、初めて。これを受け、同社が進めていた従業員1万人の整理計画の棚上げを発表した。
前年同期は約24億ドルの赤字だった。市場筋は当初、4〜6月期は1億6100万ドルの損失を予想、黒字に転換するのは今年後半と占っていた。第2四半期の売上高は約170億ドルだった。
民間旅客機の販売は依然苦戦し、赤字経営となっている。ただ、同社は同部門における営業損失額の大幅縮小を果たし、第2四半期では前年同期の約27億ドルが4億7200万ドルに激減した。
今回の黒字転換は、防衛関連、宇宙開発やセキュリティー部門などでの収益向上が要因。これら3部門での営業収益は1年前の6億ドルから9億5800万ドルに増えた。
同社のカルフーン最高経営責任者(CEO)は投資家との電話会議で、新型コロナウイルスのワクチン普及の進展や国内の旅行需要の高まりは勇気づけられる材料と指摘。「峠は越した。回復の足取りに弾みがついている」と分析した。
今後は旅客機の受注や引き渡しを拡大させることが課題になる。