バイデン氏の電動車販売目標、30年までの達成はさほど難しくない
IHSマークイットの21年6月の予想によれば、現状のままいくと、米国の30年の全自動車販売台数に占める完全なEVの割合は32%、PHVの割合は4.2%になる見通し。
「従って、やるべきことはある」。調査会社コックス・オートモーティブのモビリティーアナリスト、リー・マロイ氏はそう指摘する。
コンサルティング会社ガイドハウスのモビリティーソリューション責任者、ディレク・ジョーンズ氏によると、米政府はすでにEV販売の促進に向けて多くの手を打っている。
バイデン政権は充電施設への支出拡大をインフラ法案の提案に盛り込んだほか、政府車両に使うEVの購入を約束した。米政府は大量の自動車やトラックを所有しているため、こうした約束はそれ自体で自動車メーカーへの信頼感醸成につながるという。
ただ、今回発表された目標は確固たる約束というには程遠い。複数の自動車メーカーが発表した共同声明では、この目標を「意欲」と形容しており、目標が未達でもペナルティーを科されることはない。
また、ここでの「電動」という用語は完全なバッテリー電気自動車のみを指すわけではない。バイデン政権が定義する「電動車」にはPHVも含まれる。PHVは強力なバッテリーと電気モーターを備える一方で、ガソリンエンジンも搭載する。バッテリーを完全充電した場合、比較的短い距離(約24~48キロ)を電気で走行できるが、その後はガソリンエンジンを作動させる必要がある。
ジョーンズ氏によると、プラグイン車全体にPHVが占める割合は今後も小さいままの見通し。それでもPHVを含めることで、バッテリーの電力のみでの走行に不安を覚えるかもしれない消費者を引き付けやすくなりそうだ。