99年続いた車の有鉛ガソリン使用、世界で撤廃完了 国連環境計画

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幹線道路を走行する車=アルジェリア・アルジェ/Stringer/AFP/Getty Images

幹線道路を走行する車=アルジェリア・アルジェ/Stringer/AFP/Getty Images

(CNN Business) 国連環境計画(UNEP)は30日、アルジェリアのガソリンスタンドが先月から有鉛ガソリンの販売を中止したことを受け、世界中でほぼ1世紀にわたって続いた道路上の有鉛ガソリン使用が終わりを迎えたと発表した。

有鉛ガソリンはテトラエチル鉛という化合物を含むガソリンで、深刻な健康被害との関係が指摘されている。1922年に初の特許が認められて車の馬力を高める目的で使用できるようになり、70年代までに世界のガソリンのほぼ全てを占めるようになった。

しかし米国で鉛中毒の症例が表面化したことで有害性が認識されるようになった。鉛はたとえ低濃度であっても人間の脳、特に子どもの脳に影響を及ぼし、知能レベルや反射神経の低下につながる場合もあることが、研究で示された。

有鉛ガソリンは心疾患や脳卒中、がんとの関係も指摘されている。

UNEPは車の燃料のクリーン化を目指すキャンペーンを約20年にわたって展開。同キャンペーンは、世界117カ国が有鉛ガソリンを使っていた2002年に始まった。

米国は1973年から有鉛ガソリンの段階的な廃止に乗り出し、他国もそれに追随した。

UNEPは、道路を走る車両の有鉛ガソリン使用を禁止することで、年間120万人の早死にを防止できたと指摘する。

ただ、航空業界は今も鉛を含むアブガスを、小型機のピストンエンジンの燃料として使っている。

さらに、世界の多くの国や地域は、有鉛ガソリンの段階的な廃止に伴って、やはり健康や環境への有害性が指摘されているディーゼル燃料への依存を強めている。

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