米金融市場、急速にムード改善 FRBのテーパリング慎重姿勢で
ニューヨーク(CNN Business) 投資家の中には依然、新型コロナウイルスのデルタ変異株やアフガニスタン情勢に神経をとがらせている人がいるかもしれない。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が先月27日、インフレ懸念に即座に対応するつもりはないと示唆したことで、多くの人の懸念は和らいだ。
パウエル氏が債券購入プログラムの縮小(テーパリング)には慎重な姿勢で臨むと示唆したのを受け、米金融市場の心理はここ数日で大幅に改善した。FRBによる債券購入は長期金利の抑制要因となっている。
CNN Businessがまとめる「恐怖・強欲指数」は30日にいったん「強欲」の領域に入ったものの、31日午前には中間レベルに戻った。
この指数は市場変動に関するVIX指数やジャンク債需要、オプション取引に加え、投資家心理を示す他の4つの指標を参照したもので、先月に「極度の恐怖」を記録した後、ほんの1週間前の時点では「恐怖」の兆候を示していた。
新型コロナウイルス感染症やアフガン情勢をめぐるニュースは依然として良い内容ではないことから、心理改善の最大の要因は恐らく、インフレに関するパウエル氏のハト派的な発言だとみられる。
ロックフェラー・グローバル・ファミリーオフィスの最高投資責任者(CIO)、ジミー・チャン氏は「私に言わせればこれは『テフロン市場』だ。投資家はこうした好ましいとは言えない材料をすべて振り払うことができる」と語る。
S&P500指数やナスダックは30日に史上最高値を付けた後、31日にやや反落。ダウ工業株平均も次の大台となる3万6000ドルからそう遠くない水準にある。