プラハのマリオットホテル、世界ウイグル会議の開催拒否 「政治的中立性」理由に
ニューヨーク(CNN Business) チェコの首都プラハにあるマリオットのホテルが、今月に予定されていたウイグル族の会議の開催を拒否したことが分かった。マリオット・インターナショナルが19日、CNNに確認した。会議には中国国内の人権侵害疑惑に注目を促す狙いがあった。
米アクシオスが最初に報じたメールによると、プラハ・マリオットは世界ウイグル会議の開催を断る理由として「政治的中立性」を挙げた。
マリオット・インターナショナルは声明で、プラハのホテルの対応は「当社の方針と一致していない」と説明。同ホテルの経営陣が世界ウイグル会議に謝罪目的で連絡を取ったことを明らかにし、「我々は包摂性を追求する当社の長年の慣行に関して研修と教育を行うため、同ホテルと協力している」と述べた。
マリオット・インターナショナルによると、プラハ・マリオットは世界ウイグル会議に対する先月のメールで、会社の経営陣との協議の結果、11月に予定される会議は同ホテルでは開催できなくなったと告げた。
マリオット・インターナショナルはCNNに対し、これは「ホテルレベルでの判断」であり、「会社の経営陣」との表現はプラハのホテルの経営陣のことを指すものだとしている。
世界ウイグル会議はドイツに拠点を置く組織で、亡命ウイグル人や中国・新疆でのジェノサイド(集団殺害)疑惑に注目を促すことを目指す人々で構成される。世界の専門家50人以上が3月に発表した独立した報告書では、中国政府はウイグル族に対する「進行中のジェノサイドに関して国家責任を負う」と指摘した。
一方、中国国営メディアは世界ウイグル会議を「テロリスト集団」と形容。中国は新疆やチベットでの人権侵害についても否定しており、ジェノサイドとの指摘は「ばかげている」と反発している。