チェコ下院選、野党連合が首位 政権交代か
プラハ(CNN) チェコ下院選(定数200)は接戦の末、野党連合の得票率がバビシュ首相率いる与党「ANO2011」を上回り、連立政権を目指す見通しとなった。
当局の発表によると、開票率100%の時点で中道右派の野党連合「SPOLU」の得票率が27.79%と、ANOの27.12%をわずかに上回った。さらに中道の野党連合「PirStan」が15.62%の票を獲得した。
単独の党としてはANOが最多の票を獲得したが、過半数には遠く及ばなかった。
SPOLUのリーダー、フィアラ氏は9日、支持者らに「われわれが変革だ。皆さんが変革だ」と語り掛け、勝利を宣言した。
PirStanを率いるバルトシュ氏は、SPOLUとの連立政権樹立に向けた交渉がただちに始まるだろうと述べ、「バビシュの支配は終わった」と宣言した。
「反バビシュ」で共闘した両連合は合わせて108議席を獲得し、参加する計5党の党首が連立を目指すとの覚書に署名した。
ゼマン大統領はこれまで、単独の得票数が最も多い党に組閣を命じるとの方針を示してきた。だがフィアラ氏は首都プラハでの会見で、憲法は下院で過半数を確保した勢力が政権を樹立するよう定めていると指摘した。
バビシュ氏は巨額の資産と大衆迎合主義的な政策で知られ、「チェコのトランプ(前米大統領)」とも呼ばれた。選挙戦では反移民と欧州連合(EU)懐疑派の立場を強く訴えたが、資産の扱いをめぐって利益相反の疑いが指摘され、最近では政界入り前の巨額の資金移動が判明していた