メーカーや保護者が玩具の性別を分類すれば、固定観念が強まるだけでなく、男女の違いを強調することにもなる。「女の子向けとされている商品は可愛らしさが強調される」と米セーラム州立大学のレベッカ・ヘインズ教授は話す。女の子向け玩具はコミュニケーション能力や優しさに重点を置き、男の子向け玩具はアクションや自己主張の強さが強調される。
デンマークの玩具大手レゴの調査によれば、女の子は男の子の6倍の確率で、科学者やアスリートは女性よりも男性だと想像していた。保護者の場合、男の子にコンピューターゲームやスポーツを勧める確率は4倍、女の子にダンスやおしゃれを勧める確率は5倍に上った。
「子どもたちは自分の興味や適性、そして恐らくは将来の役割についてのアイデアを試している。大人が選択肢を狭め、この領域は女の子だけのもの、この領域は男の子だけのものと決めてしまうのは問題だ」とヘインズ教授は言う。
そうした中、玩具の宣伝の変化は消費者の行動を変えさせる助けになるかもしれない。それでも文化的な規範を克服するのは難しい。
実際のところ、レゴの調査では、男の子の71%、女の子の42%が、自分とは違う性別のものと見なされる玩具で遊んでいてからかわれるのが不安だと答えていた。
ヘインズ教授は、例えばプリンセスが大好きな女の子であれば、プリンセス人形と、消防車のようなアクション指向の玩具を買い与えるようアドバイス。「お姫様を演じながら、そのお姫様が消防士になれる」と提案している。