(CNN) 米国は14日、新型コロナウイルスのワクチン接種開始から1年を迎える。新型コロナウイルをめぐってはさまざまな「節目」を迎えているが、米国では以下の3点については注目に値するだろう。
ワクチンの接種開始から1年が経過し、米国人の60%が接種を完了したこと。新型コロナウイルによる死者が80万人に迫っていること。そして、5000万人以上が新型コロナウイルスに感染したことだ。
今月14日は米国がワクチン接種を開始してからちょうど1年となる。
この1年間で驚くべきことに2億200万人がワクチン接種を完了した。これは米国の人口全体の60%超に相当する。約4億8400万回分のワクチンが配布された。米政府は現在、16歳以上の全員を対象に追加接種を促している。
ワクチン接種を完了した人の数は驚くべきものだが、同時に十分といえるものでもない。残りの人々にどのようにしてワクチンを利用してもらうかをめぐる闘いは、接種の要請をめぐる大規模な政治的、法律的なこう着状態に陥っている。
ワクチンの配布に関して一定の成功を収めたと認めることは適切ではある一方で、米国では数日中に新型コロナウイルスによる死者が80万人を超える見通しであるという事実を理解することは難しい。
1年前にワクチンの接種が始まったとき、米国での新型コロナウイルスによる死者数は約30万人だった。つまり、新型コロナウイルスによる死者がさらに50万人増えたことを意味する。その多くはワクチンが広く利用されるようになって以降に亡くなっており、つまり完全に防げるはずの死だった。新型コロナウイルスによる死者の大多数はワクチン未接種者だった。
公式発表の全死者数が、実際の新型コロナウイルスによる死者数よりも少ないことはほぼ確実となっている。米疾病対策センター(CDC)が9月に発表した報告によれば、新型コロナウイルスによる死者の実数は公式発表よりも約32%多い可能性がある。これはつまり、新型コロナウイルスによって死亡した米国人の数は100万人を超えている可能性が高いことを意味している。
これはまた新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可が最初に出てから約50万人が死亡したことを意味している。CDCによれば、平均して毎日1000人以上の米国人が死亡している。
米国で新型コロナウイルスによる死者数が80万人に迫ると同時に60%のワクチン接種率を引き上げようとするなか、5000万件の感染にも対応する必要がある。
寒い季節が始まり、家族が祝日を一緒に過ごすなか、感染件数は特に北東部で増加している。新型コロナウイルスの流行も3年目に入り、ワクチン接種や追加接種が新型コロナウイルスを根絶できないことは明らかになった。しかし、うまくいけば、ワクチンは不必要な死の増加を防ぐことはできるかもしれない。