オミクロン株の感染、大半は症状軽くワクチン接種済み 米
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は12日までに、米国内でこれまで見つかった新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」株の感染者43人について、大半の症状は軽度あるいは中程度で、大部分の人がワクチン接種を終えていたとの報告書を公表した。
このうちの14人は追加接種「ブースター」も済ませていた。オミクロン株に関するCDCによる初の報告書で、ワクチン投与ではこの変異株への感染が防げないことを示しているとした。
報告書の発表は10日で、CDCの新型コロナ対策チームは、接種を終えていた患者1人が2日間入院していたが、死亡の事例はこれまでないともした。オミクロン株への感染は米国内外の旅行、大規模な公共行事や家庭内に起因していたことがわかったともした。
オミクロン株感染の症状の発症が最も早く出た事例は先月15日で、海外渡航歴があった人物だったと説明。症状の発症や陽性診断に先立つ14日間内に海外旅行歴があったのは14人、比率にして33%だったともした。
感染が判明した43人のうちワクチン接種を完了していたのは79%だった。米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した製品や米モデルナ製、米ジョンソン・エンド・ジョンソン社製のものを打っていた。
ブースターを受けていた14人のうちの5人は少なくとも2週間前にはこの追加接種を終えており、最大限の免疫機能を保持していると考えられるべき状態にあったとした。
これら43人が共通に示した症状の大半は、せき、疲労感、充血や鼻水などとした。
新型コロナ対策チームの研究者たちは、米国内での新型コロナ感染の主流は依然、デルタ変異株と説明。その上で、検体収集からゲノム解析に必要な2〜3週間の時間的な制約を踏まえれば、11月下旬の時期に根差すオミクロン株の新たな感染事例が今後、数日内に判明する可能性があるとした。