アジア市場と米先物は全面安 FRBの3月の利上げ示唆受け
香港(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)が3月の利上げを想定していると発表したことを受け、27日のアジア市場と米先物は全面安の展開となった。
投資家の間では、米国金利の上昇がアジア新興市場で資本流出と通貨安を招き、金融市場の混乱を引き起こす可能性に懸念が高まった。
日経平均は午後の取引までに3.3%、韓国の総合株価指数(KOSPI)は3.2%下落した。香港のハンセン指数も2.5%、上海総合指数も1%あまり下落した。
ハイテク株が大きく値を下げ、中国大手IT企業に連動する香港の指数は4%あまり落ちた。
米金融市場ではダウ先物が約440ポイント下落。S&P500とナスダックの先物はそれぞれ1.5%と1.9%下落した。
FRBのパウエル議長は26日、「委員会は条件が適切なら、3月の会合でフェデラルファンド(FF)金利を引き上げる考えだ」と説明した。
これに先立ちFRBは2日間の連邦公開市場委員会(FOMC)を終え、インフレ率が2%を大幅に上回り労働市場も力強い状況では、FF金利の引き上げが間もなく適切になると表明、利上げ開始後に保有資産を縮小する方針も示していた。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ケリー・クレイグ氏は27日のメモで、「外部要因による成長ショックを除けば、3月の会合での利上げを妨げるものはほとんどない」と指摘。FRBが量的引き締めと流動性の引き揚げに素早くかじを切ったことで、「年内は市場の変動が高まる」可能性が高いとの見方を示した。