レバノンに逃亡のゴーン被告に国際逮捕状 フランス検察
パリ/ロンドン(CNN Business) フランスの検察当局は24日までに、日本から中東レバノンへ逃亡した日産自動車の元会長であるカルロス・ゴーン被告ら5人に国際逮捕状を出したとの声明を発表した。
首都パリ近くのナンテールの検察当局はCNNの取材に、逮捕状の発布を確認。中東オマーンに拠点がある自動車販売店「スハイル・バーワン・オートモービルズ(SBA)」の複数のオーナーや元幹部も逮捕の対象に含まれた。
フランスの地元メディアは、逮捕状はフランス自動車大手ルノー、日産とSBAの間に見つかった不審な資金の環流に関係していると伝えた。ゴーン被告はルノーの会長を務めたこともある。
検察当局はCNNに、逮捕状は多くの事実確認や疑惑の全体像を調べる過程で訴追材料になる可能性がある違反行為の見極めが目的とした。
ゴーン被告の弁護士は22日、逮捕状は「驚き」とCNN Businessに寄せた声明で指摘。事件を担当する予審判事と検察当局は、仏司法当局に常に協力してきたゴーン被告がレバノンを出国出来ない法的な措置を受けていることを十分に承知しているはずだと主張。逮捕状は将来的に疑惑を法廷で解明することを可能にするための技術的な対応策と判断しているとも述べた。
ゴーン被告は2018年、報酬の過少申告を含めた複数の違反行為の容疑で逮捕された。公判を待っていた19年、音響機器用の箱に隠れてプライベートジェットで逃亡し、子どもの時に住んでいたレバノンに入国していた。
被告はフランス、レバノン、ブラジルの3国籍を持つ。レバノンは国内法で自国民を他国に引き渡さないと定めている。
ゴーン被告は不正行為を犯したことを一貫して否定し、日本では公正な裁判を受けられないと逃亡を正当化していた。