クルー全員が黒人女性、先駆者たたえる 米アメリカン航空
(CNN) 1921年に黒人女性で初めてパイロット免許を取得したベッシー・コールマンに敬意を表し、米アメリカン航空はクルー全員が黒人女性というダラス発フェニックス行のフライトを運航した。今年は同氏が22年に初の民間飛行を操縦してから100周年にあたる。
アメリカン航空は「果敢にも航空業界の壁を打ち破り、大勢のために道を切り開いた」と声明を発表した。
パイロット、フライトアテンダント、カスタマーサービス、貨物チーム、機体メンテナンス技術者の全員が黒人女性で構成される「ベッシー・コールマン・アビエーション・オールスターズ」ツアーには、同氏の又姪(めい)にあたるジジ・コールマン氏も搭乗した。
18年までは女性がパイロット免許を取得することはまれで、あったとしてもほとんどが白人や富裕層だった。コールマンはめげずにフランスの航空学校に入学。21年、アフリカ系米国人およびネイティブアメリカン初の女性パイロットとなった。
コールマンは26年、テスト飛行中に34歳で死亡。未来の黒人パイロットを育てる学校設立の夢は叶(かな)わなかったが、航空業界の歴史に永遠にその名を刻んだ。
ベッシー・コールマンと複葉機=1920年ごろ/Michael Ochs Archives/Getty Images
アメリカン航空によれば、黒人女性の割合は「民間航空業界、とりわけパイロットでは1%未満」だという。同社では搭乗クルーの多様化を掲げ、養成学校でも「認知向上およびパイロット職の門戸拡大に取り組んでいる」と述べた。
パイロットを目指す訓練生モハメド・モハメドさんは投稿した動画の中でコールマンについて「アフリカ系米国人女性初のパイロットであり、次世代の背中を押してくれた人。なりたい自分になれることを教えてくれた」と語った。