家族から給料もらう「専業子ども」、中国の若年層で増加 雇用市場の厳しさ反映
とはいえ「専業子ども」でいることを、肯定的に受け入れる若者ばかりではない。東部江西省で「専業娘」となっているナンシー・チェンさんは大学を卒業後、民間の学習塾で教えていたが、2021年に職を失った。当局が営利目的の教育サービスを禁止したためだ。
現在24歳のチェンさんは実家で家事をしながら、政府の仕事に応募。大学院の試験も受けるなど、忙しい日々を送る。
「猛烈な競争」のため、今のところチェンさんはまだ何の仕事も得られていない。最近では地元自治体での3人の募集に対し、3万人が応募したという。
「それでも(専業娘を)長くは続けられない」「試験に受かるか、仕事を見つけるかしないと。そうでなければ不安になってしまう」(チェンさん)
専門家からは「専業子ども」という社会現象自体が長く続くことはないとの見方も出ている。しかしオックスフォード大学の中国センターとロンドン大学東洋アフリカ研究学院で研究員を務めるジョージ・マグナス氏は、 長期間労働市場を離れてスキルを身につけず、よりよい就業機会を探すこともない若者は、その後雇用に適さなくなる恐れがあると懸念を示す。
同氏によるとこうした条件を抱えた場合、短期的に仕事を変える状態が労働市場で定着するという。