JPモルガン、米領バージン諸島と和解 エプスタイン元被告の人身取引巡り
ニューヨーク(CNN) 米銀大手JPモルガン・チェースは26日、米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告による性的人身取引を可能にしたとして訴えられていた訴訟で、米領バージン諸島と和解したと明らかにした。
和解内容にはJPモルガンが人身取引の削減に向けた「重大な取り組み」を行うことや、バージン諸島に7500万ドル(約112億円)を支払うことが含まれる。
バージン諸島の司法長官は昨年12月、ニューヨーク州南部地区でJPモルガンを提訴した。JPモルガンがエプスタイン元被告の性的人身取引から経済的な利益を得て、不審な金融活動の報告を怠ったというのがその主張だった。
JPモルガンは26日の声明で、今回の和解では一切責任を認めていないと説明したうえで、エプスタイン元被告との「関係を深く遺憾に思う」と改めて表明した。
和解については連邦判事が最終的に承認する必要がある。
エプスタイン元被告は2019年、未成年の少女数十人の性的人身取引容疑で連邦法に基づき逮捕された。ニューヨークの検視当局によると、逮捕から1カ月あまり後、元被告は自身の監房で自殺した。
起訴状によると、エプスタイン元被告は02年から05年かけて人身取引網を運営。最年少14歳の少女に金銭を支払い、ニューヨーク市アッパーイーストサイドの自宅やフロリダ州パームビーチの所有地で性行為に及んでいたとされる。
JPモルガンによると、和解金のうち3000万ドルは人身取引の根絶をめざす慈善団体の援助や被害者支援に充てられる。2500万ドルはインフラや法執行当局の強化に、残りの2000万ドルは法的費用に充てられる。