中国最大の富豪が率いる飲料メーカーに不買運動 愛国心に欠けると非難の声
中国大手SNS「微博(ウェイボー)」のあるユーザーは、鍾氏の資産を受け継ぐとみられる息子について「将来中国最大の富豪になる人物が米国籍だなんて信じられない」と書き込んだ。
また、自国への思いがない人物は「どれほど裕福であろうと、中国人の心を持つ庶民に及ばない」とも指摘した。
非難の声を寄せる国家主義者らは、農夫の主要な株主がバンガードやブラックロックといった米国の有力な投資ファンドである事実にも焦点を当てている。
別のユーザーは「ゆくゆくは(息子が)米国籍者として会社を運営する。しかし中国人である自分が応援するのは自国のブランドだけだ」と書き込んだ。
ネット上はボイコットを呼び掛ける声であふれている。ある短い動画には、小さな商店が店頭に並べる飲料水全商品を農夫から娃哈哈に入れ替える様子が映っている。
ネットでの運動は農夫の株価に打撃を与えた。香港市場での同社の株価は2月末以降5%近く下落。CNNの計算によると、時価総額で約30億ドル(約4430億円)が吹き飛んだことになる。
ブルームバーグ通信のビリオネア(保有資産10億ドル以上の富裕層)指数によれば、鍾氏の個人資産も3月1日以降20億ドル目減りしたものの、現在の保有資産は645億ドルで依然として中国最大の富豪だという。