中国最大の富豪が率いる飲料メーカーに不買運動 愛国心に欠けると非難の声
香港(CNN) 中国最大の富豪で飲料メーカー国内最大手の農夫山泉を率いる鍾睒睒氏に対して、国家主義者たちが相次いで非難の声を浴びせている。本人の愛国心の欠如を糾弾するこうした動きは同社の株価を直撃。売り上げにも悪影響を及ぼす恐れがある。
鍾氏と農夫山泉は、熱狂的に対象を攻撃するネットユーザーらにとっての最新の標的となった。ボイコットの呼び掛けも起こり、通常は愛国的な国営メディアまでもが警戒感を示している。現在中国政府は民間企業に対する後押しの強化を図り、経済低迷の対策の一助にしようとしている。
非難の引き金は、農夫にとって最大のライバル企業の一つである娃哈哈(ワハハ)グループの創業者、宗慶後氏が先月死去したことだった。国家主義者として尊敬を集めた宗氏は約20年前、仏ダノングループとビジネス訴訟を争い、勝利したことで知られる。
死去した宗氏と比較される形で、鍾氏に対する批判が噴出した。批判の内容には農夫の商品パッケージのデザインに日本の鯉のぼりを思わせるイラストを使用していること、同社の非業務執行取締役で事業を引き継ぐ可能性のある鍾氏の息子が米国籍を所有していることなどが含まれる。