中国、米国のTikTok禁止は「いじめ行為」 裏目に出ると指摘
香港/北京(CNN) 中国外務省は13日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を米国内で禁止すれば「いじめ行為」に当たると述べ、裏目に出るだろうとの認識を示した。
中国外務省のコメントは米下院でティックトック禁止法案の採決が行われる数時間前に出た。法案はティックトックの親会社である中国IT大手バイトダンスに米国企業へアプリを売却するか、さもなければ米国内でティックトックを禁止すると迫る内容。米国内のティックトックのユーザーは1億7000万人に上る。
中国外務省の汪文斌報道官は13日の記者会見でCNNに対し、「米国はティックトックがどのように国家安全保障を脅かしているのか証拠を発見していないのに、ティックトックの狙い撃ちをやめていない」と述べた。
さらに、米国は公正な競争で成功できずに「いじめ行為に及んでいる」と非難し、そうした行動は市場の運営を混乱させ、投資家の信頼を損ない、世界の経済秩序を破壊するものだと指摘した。
専門家はTikTokを巡る懸念は憂慮すべき事態ではあるものの、依然として仮説的なものであると述べている/Patrick T. Fallon/AFP/Getty Images via CNN Newsource
「最終的には裏目に出て、米国自身に跳ね返ってくるだろう」とも述べた。
米国の当局者や議員からは長年、中国政府がバイトダンスに対して米国のユーザーから収集したデータの引き渡しを強制する可能性があるとの懸念が出ている。プロパガンダや偽情報の拡散、米国民に対する影響力行使の手段としてティックトックが使われる可能性も懸念されている。
ただ、サイバーセキュリティーの専門家は、ティックトックを巡る懸念は仮説的なものにとどまっていると指摘する。米当局は中国政府が米国のティックトックユーザーのデータにアクセスしている証拠を公に提示していない。