バイデン氏、USスチール売却案に言及 米国内での所有・運営が「不可欠」

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USスチールの工場=2月26日、米ペンシルベニア州/Gene J. Puskar/AP via CNN Newsource

USスチールの工場=2月26日、米ペンシルベニア州/Gene J. Puskar/AP via CNN Newsource

(CNN) バイデン米大統領は14日、日本製鉄に身売りする案が出ている米製鉄大手USスチールについて、引き続き米国内で所有・運営されることが「不可欠」との認識を示した。売却計画にとって打撃になりそうだ。

今回の発表はホワイトハウスが売却案について示した最も強い反対の意向となる。売却案は議論を呼んでおり、与野党の一部から批判の声が上がっている。

バイデン氏は声明で、「米国の鉄鋼労働者によって運営される強力な米国の製鉄会社を維持することが重要だ。私は鉄鋼労働者たちに、皆さんの背中を押すと伝えた。それは本心からの言葉だ」と言及。「USスチールは100年以上の間、米国の製鉄会社を象徴する存在であり、国内で所有・運営される米国の製鉄会社であり続けることが不可欠だ」と述べた。

事情に詳しい関係者はCNNに対し、バイデン政権は日本製鉄が中国に持つ資産の一部について懸念していると明かした。

USスチールのコメントは現時点で得られていない。

日本製鉄は声明で、「我々が目指すものは、USスチールを強化し、米国市場において共に成長することであり、このためには優秀な従業員が不可欠だ。我々は全米鉄鋼労働組合(USW)に対して重要な約束事項を提案し、相互に合意可能な解決に向けた努力を継続している」「日本製鉄は、USスチールが今後何世代にもわたって米国の象徴的な企業としてあり続けるための最適なパートナーであると確信している」と述べた。

バイデン政権は以前、12月に発表された141億ドル(現在のレートで約2兆1000億円)規模の売却案について、徹底した検証を支持すると表明していた。米国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長も同月声明を出し、売却案は国家安全保障やサプライチェーン(供給網)の観点から「真剣な精査」に値するとのバイデン氏の考えを伝えた。

米紙ワシントン・ポストなどが売却案に暗に反対するバイデン氏の方針を伝えたことを受け、USスチールの株価は13日、2020年以降最悪となる13%の下落を記録した。日本の岸田文雄首相は来月10日に国賓待遇で米首都ワシントンを訪問する予定で、バイデン氏の発表はその前のタイミングとなった。

USスチールの株価は14日の取引でも3%下落した。

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