独アディダス、1~3月期の純利益が急回復 「サンバ」「ガゼル」が販売をけん引
ニューヨーク(CNN) 独スポーツ用品大手アディダスは2024年1~3月期に約1億8200万ドル(約287億円)の純利益を記録した。2600万ドルの損失を計上した前年同期から急激な回復を見せた。
同社は「サンバ」や「ガゼル」といったレトロスタイルのシューズの売り上げが「非常に好調で成長して」おり、1~3月期の成長に貢献した一方で、米ラップ歌手のイェ(旧名カニエ・ウェスト)さんとの契約解消を受け、今後の足がかりはまだ探っているところだと述べた。
サンバとガゼルは10年前のスニーカーのように思えるかもしれないが、現在販売されている中で最も人気のあるシリーズだ。同社はこれらの好調さに加え、ランニング、バスケットボール、サッカー向けシューズの需要の高まりにも支えられている。
サンバの歴史は1950年代にさかのぼる。凍結や積雪がみられるピッチでプレーするための耐久性のあるシューズを求めていたドイツのサッカーチームがサンバスニーカーを履いていた。実際のデザインは新しくなっているが、「スリーストライプス」と呼ばれる3本線はアディダスのトレードマークだ。
同じく3本線が入ったガゼルの歴史は60年代にまでさかのぼる。もともとは屋内スポーツ用にデザインされたガゼルは、その後最も有名なシューズの一つになった。
欧州での売り上げは14%増加し、中国やラテンアメリカでも需要の増加がみられた。一方、北米では小売店の過剰在庫により売上高が4%減少した。
アディダスは「ユーロ2024」や「コパ・アメリカ(南米選手権)」「パリ五輪」などの主要なスポーツイベントが控えていることから、2024年の見通しが前向きであることを認めた。