米レッドロブスター、48店をいきなり閉店に 経営難受け
ニューヨーク(CNN) 経営難に直面する米シーフードレストラン大手「レッドロブスター」が米国内で展開する系列店の少なくとも48店の閉店に突如踏み切ったことが16日までにわかった。
破産管財業務などを手がける米企業「TAGeX Brands」が明らかにした。ロブスター料理が主体のメニューを提供している同社は、破産法の申請を検討していると伝えられていた。
地方メディアの情報によると、これら「一時的な営業停止」が伝えられたのはバファロー、オーランドやジャクソンビルなどにある各店。同チェーンは米国内で約650店を運営している。
創業50年以上の同社が今回ほどの規模の系列店閉鎖に一気に踏み切った事例は極めてまれとなっている。
同社の元幹部やレストラン業界の専門家らによると、レッドロブスターの業績は近年、経営方針の失敗などがあり悪化。2020年には同社に長年にわたって食材を供給してきたタイ企業「タイ・ユニオン」が非公開の形で主要な株主に浮上していた。
ただ、タイ・ユニオン社の指揮下では最高経営責任者(CEO)が4人入れ替わり、売り物だったエビの提供方法などのサービスが変わったため収益減少に直面。同社のCEOは「より注意深い対応をすべきだった」と後になって悔やんでもいた。
同社は今年、レッドロブスターの株式を売却する方針を表明。CEOは「もうロブスターは食べない」とも言い切っていた。
レッドロブスターの顧客層は過去20年間、「チポトレ」などのファストフードチェーンの飛躍的な成長のしわ寄せを受け、切り崩されてきた。
レストラン業界の調査企業によると、手頃な値段での飲食は23年にレストラン業界全体の売上額のうちの31%に低下した。13年には36%だったという。