中国、不動産危機の大規模な救済策を検討か 市場は好感
香港(CNN) 中国・杭州市の当局者が売れ残った住宅を買い取る計画を発表したことで、中国株は16日、急伸した。一部のアナリストはこの計画を中国の不動産危機に対する大規模な解決策に向けた試験的な取り組みになると期待している。
香港のハンセン指数は1.6%上昇し、昨年8月以来の高値をつけた。同指数は1月から30%近く上昇し、今月初めに上げ相場に入った。
不動産開発業者は平均3.1%上昇し、相場をけん引した。
今回の相場の回復は、杭州市のある地区が売れ残った住宅を市場から直接購入し、手頃な価格の住宅に転換すると発表したことを受けたものだ。
この発表は中国政府が全国の地方政府に数百万戸の売れ残り住宅を買い取らせる案を検討しているとの期待を高めた。中国メディアはこの中国政府の動きを、危機的状況にある不動産業界に対する「重要な解決策」と呼んでいる。
こうした期待に加え、国家の経済政策を立案する中国国家発展改革委員会は16日、「手頃な価格の住宅供給を促進」し、不動産業界の「新しいモデル」を模索することを約束した。
救済措置に関する臆測は先月から飛び交っている。中国メディアは、中国政府は日本の数十年にわたる停滞から学び、中国全土の未完成の住宅を取得する計画を検討していると報じた。これらの物件は低価格の住宅となり、販売または賃貸されることになる。
INGグループのアナリストは「(この提案は)現在中国全土で行われている試験的な取り組みよりもはるかに大規模な支援策であり、中国の輸出品に対する米国の新たな関税による(株価への)マイナスの波及を和らげる一助になる」と述べた。
一方、ファンドマネジャーらは資金調達の問題は依然として重要な懸念事項だとし、より慎重な見方を示している。