映画館はなぜポップコーンを売るようになったのか?
米ミネアポリス(CNN) ポップコーンは90年以上にわたり世代を超えて映画館との共生関係を保ってきた。
米コムスコアの上級メディアアナリスト、ポール・デルガラベディアン氏はCNNに対し、ポップコーンと映画はピーナツバターとチョコレートのように切っても切れない関係にあり、おそらく現代史上最高の組み合わせの一つだと語った。「これ以上に完璧な組み合わせも、これほど深く広く文化の一部となった組み合わせも想像するのは難しい」
全米最大の映画チェーンであるAMCシアターズによると、同社は毎年、オリンピック用のプール222個分のポップコーンを販売している。しかし映画館は長い間、ポップコーンと関わりを持ちたがらなかった。
不況で引き寄せられた縁
アンドリュー・F・スミス氏の「Popped Culture: A Social History of Popcorn in America(原題)」によると、ポップコーンの起源にはさまざまな言い伝えがあるほか、映画との「ご縁」にはかなりのドラマがあった。
スミス氏は、ポップコーンにまつわる根強い寓話(ぐうわ)のほとんどを否定した。ポップコーンは「最初の感謝祭」の付け合わせではなく、南米から帰国した米国人航海士らによって19世紀前半にニューイングランドに持ち込まれたようだ。
1876年、米フィラデルフィアで開かれた万国博覧会会場のポップコーン売り場の様子/Bettmann Archive/Getty Images
1840年代にはポップコーンを作る器具が発明され、ポップコーンは人気の娯楽になった。その後数十年間にわたりサーカスや街角ではポップコーン売りが急増した。さらに商業化が進み、ポップコーンは球場の定番となり、映画興行との距離が近づいていく。