カナダの鉄道大手2社、操業停止 北米経済への影響懸念
(CNN) カナダの2大貨物鉄道会社であるカナディアン・ナショナル(CN)とカナディアン・パシフィック・カンザス・シティ・サザン(CPKC)が操業を停止した。両社が明らかにした。列車を運行する労働組合チームスターズに所属する9000人が締め出され、カナダと米国の経済に打撃となる可能性がある。
両社が扱う貨物のほぼ3分の1は国境を越え、米国に輸送されている。停止がどの程度継続するかによって、農業、自動車、住宅建設、エネルギーなど多くの米国産業の操業に支障が出る可能性がある。
両社が労働争議により同時に操業を停止するのは今回が初めて。同業界での直近の業務停止は、2022年に行われたカナディアン・パシフィックの60時間ストライキだ。それ以前には19年にCNで9日間のストライキが行われた。
今回の操業停止は組合員が業務を拒否するストライキとは異なり、経営陣が約9000人の組合員に仕事をさせない措置だ。
CPKCの広報担当者は、物流のピークを迎える今秋に組合がストライキを起こすよりも、今、操業を停止して結論を出す方がいいと述べた。
チームスターズ組合は双方が納得できる契約を求めているが、鉄道会社側の要求は休息時間を減らし、安全上のリスクを高めるものであり、自社の利益にしか関心を持っていないと批判している。
一方で鉄道会社側は、求めている変更内容は安全上のリスクを増大させるものではないと否定。すべての提案は最近強化されたカナダの規制で要求されているよりも高い安全性を提供するものだと反論している。
両社は期限までに合意に達することができなかったのは組合の責任だとしている。両社は政府に対し、この紛争に介入して拘束力のある仲裁に付託するよう求めたが、政府はこれまでのところ拒否している。