カナダ・メキシコ、トランプ関税で景気後退入りも 米市場への依存大きく
(CNN) 米国のトランプ大統領がカナダとメキシコに対して課した関税はカナダとメキシコの経済に大きな打撃を与える可能性があり、専門家からは、一部製品の生産の減速や物価の上昇、リセッション(景気後退)入りの懸念を強めるとの警告が出ている。
米国は4日、カナダとメキシコからの輸入品に対して25%の関税を課した。カナダからのエネルギー関連の輸入については10%の課税となっている。
カナダとメキシコはいずれも、米経済に影響を及ぼす相互関税を課すと警告しているものの、両国が米国との貿易に大きく依存しているため、失うものは米国よりも多い。カナダとメキシコにとって最大の輸出先は米国だ。
専門家によれば、今回の関税によりカナダで最も大きな影響が出そうなのが、自動車の製造とエネルギー分野だ。米国勢調査局によれば、こうした分野に関連した約1850億ドル(約27兆7000億円)相当の商品がカナダから米国に輸入されている。カナダはまた、米国に対する最大のエネルギー供給国ともみられている。カナダ政府によれば、2023年には米国への原油の輸入の約60%がカナダからのものだった。電力輸入の85%、天然ガス輸入の99%もカナダからだったという。
メキシコもカナダと同様に、自動車産業は米国と深く結びつき、米国の消費者に大きく依存している。商務省によれば、24年1~11月、メキシコから870億ドル相当の自動車と、640億ドル相当の自動車部品を輸入していた。関税によって、これらの製品は米国の消費者にとっては高額となり、米国人がメキシコからの購入をやめてしまい、このことがメキシコ経済にも影響を及ぼす可能性がある。