ゼレンスキー氏、米国での首脳会談は「遺憾」 和平交渉の用意を表明
ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、米大統領執務室で先週行われたトランプ米大統領との首脳会談について「想定通りに進まなかった」と述べ、険悪な会談になったのは「遺憾」だと表明した。ウクライナは紛争終結に関して交渉する用意があるとも述べた。
ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)でトランプ氏との会談に直接言及し、「ウクライナの和平への決意を改めて表明したい」とコメントした。トランプ氏とバンス米副大統領は会談中、ゼレンスキー氏を痛罵。「第3次世界大戦をギャンブルにしている」と気色ばんでゼレンスキー氏を非難し、「あなたの国は深刻な問題を抱えている」と告げていた。
ゼレンスキー氏はXへの投稿に「金曜日にワシントン、ホワイトハウスで行われた我々の会談は想定通りに進まなかった」と書き込み、「このような結果になったのは遺憾。今こそ物事を正しく進める時だ。今後の協力とやり取りが建設的なものになることを望んでいる」と表明した。
さらに「終わりなき戦争は誰も望んでいない」と言い添え、「ウクライナは永続的な平和をたぐり寄せるため、できる限り早く交渉のテーブルに着く用意がある。ウクライナ国民は誰よりも平和を望んでいる。トランプ大統領の力強いリーダーシップの下、永続平和を手にするために取り組む準備はできている」とした。
西側諸国の指導者は今回の声明で米ウクライナ関係が多少とも円滑になることを期待するかもしれないが、惨憺(さんたん)たる結果に終わった大統領執務室での会談は、両国の関係がいかに緊張しているかを浮き彫りにした。
ゼレンスキー氏はまた、ウクライナは鉱物協定に署名する用意があると表明。この協定は2月28日に署名される予定だったが、口論の末、ゼレンスキー氏はホワイトハウスを去るよう伝えられていた。
「鉱物と安全保障に関する合意に関して言えば、ウクライナはいつでも都合の良い形式で署名する用意がある。我々はこの合意が安全保障の強化、および確固たる安全の保証に向けた第一歩になると見ており、うまいくいくことを心から期待している」としている。
ゼレンスキー氏の提案やホワイトハウス訪問を振り返った発言に対し、トランプ氏がどう反応するかは今のところ不明だ。トランプ氏は3日、米国の対ウクライナ軍事支援の一時停止を指示しており、ウクライナの戦闘能力に甚大な影響を及ぼす可能性がある。